建設職人の身を守るために。業務ができる基準を知っておこう | ジョブケンワーク | JOBKEN WORK

建設職人の身を守るために。業務ができる基準を知っておこう

現場の作業は基本屋外で行われるため、雨や雪、強風時などの際は工事を中止する場合があります。
工事を中止するかどうかの基準は、どのように定められているのでしょうか。


本記事では、雨・雪・強風時に続行して行う工事、再開時に行うことなどをご紹介します。

雨・雪・強風時の建設工事

雨・雪・強風時の建設工事については、悪天候時に中止になる建設工事と続行する建設工事があります。


中止になる建設工事

事業者は、大雨、大雪、強風、地震などが起こった際には、建設工事を中止にする必要があります。
特に以下の工事は、基本的には中止となります。


塗装工事
塗装工事は、建物外壁や屋上を保護・防水するために行われます。
そのため、雨の際には作業は中止になります。


タイル張り
外壁や玄関などにタイルを張る工事です。
屋外で行われるので、基本的に作業を中止します。
ただし、屋内や屋根のある場所であれば、作業を続けられる場合もあります。


掘削工事
土地を掘ったり、削ったりする工事です。
土地に穴を掘るため、雨の場合は地盤が緩くなり土砂が崩れる可能性があります。


型枠加工
コンクリートを流し込むための型枠を作る工事です。
雨の中でも作業は可能ですが、電気工具を使用することが多いため、感電の恐れがある際には作業が中止となります。


続行する建設工事

足場の設置や解体
労働安全基準法で定められているような大雨や強風でなければ、足場工事は続行されることが多いです。
ただし、いつもより滑りやすくなっているので注意が必要です。


高圧洗浄
高圧洗浄とは、塗装工事の際に、塗料を塗る前にホコリや汚れ、古い塗料などを洗い流す作業です。
高圧洗浄は水を使って行う作業のため、多少の雨であれば大きな影響を受けることはありません。
また雨の日であれば、近隣住宅の洗濯ものなどに水しぶきがかかる心配もありません。
ただし、雨が降ると足元や視界が悪化するため、事故が起きやすくなります。
そのため、大雨の際には中止になる場合もあります。



建設工事を再開する前のチェック

建設工事を再開する前には、点検を行い現場の状況を確認する必要があります。
目に見える破損や故障だけでなく、細部まで確認しなくてはいけません。


たとえば、以下の部分の点検を行います。


  • 床材の損傷や取り付け及び掛渡しの状態
  • 建地、布、腕木などの緊結部や接続部および取り付け部の緩みの確認
  • 緊結材および緊結金具の損傷や腐食の状態
  • 交さ筋かい、幅木、手すりわく、手すり、中さんなどの取りはずしおよび脱落の確認
  • 幅木などの取り付け状態および取りはずしの有無
  • 脚部の沈下や滑動の状態
  • 筋かい、控え、壁つなぎなどの補強材の取り付け状態や取りはずしの確認
  • 建地、布および腕木の損傷具合の確認
  • 突りょうとつり索との取り付け部の状態やつり装置の歯止めの機能

点検の結果は記録しておき、工事終了まで保管する必要があります。


出典:北海道労働局労働基準部安全課「強風・大雨・大雪・地震等の際の足場の点検について

労働安全衛生法による基準

労働安全衛生法によって、作業を中止する基準が定められています。
ここでは、強風・大雨、大雪、地震それぞれの基準をご紹介します。


強風

10 分間の平均風速10m/s以上


大雨

1回の降雨量50mm以上


大雪

1回の降雪量25cm以上


地震

震度4以上


この基準を満たす悪天候だった場合は、どんな作業でも中止する必要があります。


出典:北海道労働局労働基準部安全課「強風・大雨・大雪・地震等の際の足場の点検について

業務を中止する基準を知ろう

小雨や多少の風で作業を続行する工事もあれば、雨が降れば作業が中止になる工事もあります。
工事の種類によって対応が異なるので知っておきましょう。
またいずれの工事でも、労働安全衛生法で定められた基準を超える悪天候の場合は、作業員の安全確保のために作業を中止する必要があります。
無理せず、確実に行える作業だけを行っていきましょう。


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