シールドはトンネル工事で活躍する建設機械!特徴をおさえよう
活気あふれる都市の地下には、縦横無尽に伸びるトンネルの網目が存在します。
地下鉄、下水道、電力ケーブル、通信線などの都市のライフラインを支えるこれらのトンネルを建設し、都市の発展を陰から支えるのが、シールドと呼ばれる巨大な建設機械です。
本記事では、シールドの仕組み、種類、そしてトンネル工事における役割についてご紹介します。
シールドは、トンネル掘削に使われる大型の機械です。
鋼鉄製の円筒状の構造体で掘削面を覆い、作業員や周辺環境を保護しながら、前方へ掘削を進めていきます。
シールドは、主に都市部の地下トンネル工事で使用されます。
これは、シールドが狭い場所や軟弱地盤でも掘削できるためです。
また、シールドは周辺地盤の変形を抑制する効果もあり、建物の密集した場所でも安全にトンネルを掘れるとされています。
シールドの種類には主に以下の4つが挙げられます。
シールドの断面を回転式のカッターヘッドで掘削する方法です。
掘削速度が速いため、工期の短縮などが期待できます。
ブラインド式シールドは、前面部分にバルクヘッドと呼ばれる隔壁を設け、切羽を密閉する方式です。
バルクヘッドには開口部があり、そこから土砂を排出します。
土圧式シールドは、切羽を土圧で加圧することにより、切羽の安定を確保しながら掘削を行う方式です。
切羽後方には隔壁を設け、カッターチャンバーと呼ばれる空間を形成し、そこに土砂を充填します。
泥水式シールドは、切羽を泥水で充填することにより、切羽の安定を確保しながら掘削を行う方式です。
泥水は、ポンプで循環させています。
シールドトンネル工事は、大きく分けて以下のステップで進められます。
工事予定地周辺の地質調査を行い、トンネルのルートや断面形状、シールドの種類などを決定します。
また、周辺環境への影響や安全対策なども考慮した設計を行います。
シールドマシンを始動させるためのエントランスを設置します。
入口にはゴムパッキンと固定するための鋼材を用います。
これにより、水や土砂が立坑へ入るのを防ぎます。
発進立坑にシールドマシンを搬入し、現地で組み立てを行います。
シールドマシンは、鋼製の大型筒状の機械で、掘削、土砂搬出、覆工などが一体となった構造になっています。
シールドマシンのカッターヘッドと呼ばれる回転盤で前方地盤を掘削しながら、前進していきます。
掘削された土砂は、コンベヤーで後方に運ばれ、発進立坑から排出されます。
到達立坑からシールドマシンを搬出し、解体します。
シールドトンネル工事は、高度な技術と専門知識が必要とされる難易度の高い工事です。
安全かつ円滑な施工を実現するためには、以下の点に注意する必要があります。
シールドトンネル工事は、周辺環境に様々な影響を与える可能性があります。
周辺住民への配慮や、環境への負荷低減を意識した対策が必要です。
掘削や資材搬入に伴う騒音や振動は、周辺住民の生活環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、防音シートや防振ゴムなどの対策を講じる必要があります。
シールド掘進に伴う地盤沈下は、周辺建物の損壊や道路の陥没などを引き起こす可能性があります。
地盤沈下モニタリングや補償対策などを実施する必要があります。
シールドトンネル工事は、作業員の安全確保が特に重要です。
作業員向けの安全教育や、作業環境の整備、万が一の事故発生時の対応体制などを徹底する必要があります。
シールドマシンの操作方法や緊急時の対応手順など、作業員に必要な安全教育を定期的に実施する必要があります。
作業場における照明、換気、墜落防止対策などを適切に整備する必要があります。
シールドトンネル工事は、ライフラインの充実に欠かせない工事です。
安全対策と品質管理を徹底し、周辺環境への配慮を忘れずに進めることが重要です。
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