調査・設計から始まる鉄塔工事。完成までの流れを知っておこう
鉄塔は、私たちの生活に欠かせない電力を安定供給するために重要な役割りを担っています。
しかし、この鉄塔がどのように建設されているのか、ご存知ない方が多いのではないでしょうか。
調査・設計から始まり、基礎工事、鉄塔組立、架線工事など、様々な工程を経て完成に至ります。
本記事では、鉄塔建築について、職人(作業員)の役割りや仕事内容に触れながらご紹介します。
鉄塔を安全かつ確実に建設するためには、高度な技術と緻密な計画が求められます。
ここでは、鉄塔建設の特徴を解説します。
鉄塔は、送電線路の経路や地形に合わせて様々な形状・大きさで設計されます。
そのため、構造設計、基礎工事、鉄塔組立、架線工事など、各工程において高度な技術と専門知識が必要となります。
鉄塔建設は、複数の業者による分担作業となるため、緻密な計画と工程管理が不可欠です。
各工程のスケジュールを調整し、安全に工事を進めるために、関係者間の綿密なコミュニケーションが重要となります。
鉄塔の建設には、大きく2つの工法が用いられます。
それが、移動式クレーン工法とクライミングクレーン工法です。
移動式クレーン工法は、トラッククレーンやラフテレーンと呼ばれる大型クレーンを用いて鉄塔を組み立てる工法です。
広い敷地が確保できる場所であれば、効率的に工事を進められるとしています。
クライミングクレーン工法は、鉄塔内部にクレーンを設置し、鉄塔とともに高さに合わせてクレーンも上昇させていく工法です。
高層鉄塔や狭い場所での建設に適しています。
ここでは、鉄塔が完成するまでの流れを7つのステップで詳しく解説します。
鉄塔建設の始まりは、送電線路のルート選定と鉄塔の設計です。
地形や地質、気象条件などを考慮し、安全かつ効率的な送電ルートを検討します。
そして、そのルート上に必要な鉄塔の形式、高さ、構造などを設計図に落とし込みます。
鉄塔建設現場では、重機や資材の搬入、作業員の移動などを安全に行うために、仮設道路や資材置き場、作業員宿舎などの仮設工事を先行して行います。
鉄塔の重量は数十トンから数百トンにも達するため、強固な基礎工事が必要となります。
地質調査に基づいて適切な基礎工法を選択し、掘削、鉄筋コンクリートの打設などを行い、鉄塔を支える基盤を築きます。
工場で製造された鉄塔部材を現場に搬入し、クレーンなどを駆使して慎重に組み上げていきます。
高所作業となるため、安全帯や命綱の着用、墜落防止ネットの設置など、厳格な安全対策が徹底されます。
鉄塔に架線を架設し、送電線のルートを繋ぎます。
電線は高圧電流が流れるため、感電のリスクを伴う危険な作業です。
作業員は絶縁被覆を着用し、感電防止措置を徹底した上で、慎重に作業を進めます。
鉄塔の組み立てや架線工事が完了したら、専門家による検査や試験を実施します。
外観や溶接部の状態、鉄塔の強度などを検査し、安全性の基準を満たしていることを確認します。
検査に合格した鉄塔は、晴れて送電線路に組み込まれます。
しかし、鉄塔の仕事はここで終わりではありません。
定期的な点検や保守を行い、常に安全な状態を維持することが求められます。
鉄塔建設は、高度な技術と専門知識、緻密な計画、そして環境への配慮が求められる、まさに壮大なプロジェクトです。
これらの要素が一体となり生活に欠かせない電力を安定供給する鉄塔が築き上げられています。
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