シール職人(シーリング工事)の特徴を解説!どのような役割りがある!?
シール職人とは、シーリング工事を行う職人のことです。
他の業種と比較して、仕上がりの差が分かりやすいとされています。
では、具体的にどのような役割りがあるのでしょうか。
本記事では、シール職人(シーリング工事)の概要や工事内容、工事の注意点についてご紹介します。
シール職人が行うシーリング工事とは、建物の外壁ボート間のつなぎ目や外壁とサッシの隙間などの目地や隙間に、防水性・気密性などを確保する工事です。
シーリング工事を行うことで、建物の隙間から雨水が侵入することを防げます。
また、地震や強風で建物が揺れた際に、目地が伸び縮みをすることで、建物を漏水から守ってくれる役割りもあります。
一般的にシーリング材、コーキング材だけという場合は、「不定形シーリング材」のことを指します。
弾性シーリングや弾性シーラントとも呼ばれており、高粘着性のある不定形材料の総称です。
使用前はペースト状になっており、隙間に充填すると硬化してゴム状になります。
不定形シーリング材は以下の2種類に分けられます。
1成分形(湿気・乾燥硬化型)
空気中の湿気と反応し、硬化するタイプや空気中で乾燥硬化するタイプなどがあります。
2成分形(反応硬化型)
空気中の湿気や酸素、硬化剤と混ぜることで反応・硬化するタイプです。
2成分形は1成分形と基剤、硬化剤を混合し反応させることで硬化します。
シーリング工事には、「打ち替え工事」と「打ち増し工事」があります。
打ち替え工事は、既存のシーリング材を取り除いた後に、新しいシーリングを充填する工事です。
打ち増し工事は、既存のシーリング材を撤去せずに、上から注入する工事です。
ほとんどの現場では打ち替え工事が行われますが、劣化状況を見て打ち増しを行う場合もあります。
1.除去(打ち替え工事の場合)
既存のシーリング材をきれいに取り除きます。
2.清掃
新しいシーリング材を充填する前に、古いシーリング材が埋め込まれていた部分をしっかりと清掃します。
3.バックアップ材・ボンドブレーカーの取り付け
バックアップ材とボンドブレーカーを取り付けます。
これは、シーリング材が建物の歪みや動きについていけるようにするためです。
バックアップ材は、目地の深さを調節し、三面接着を防ぐために行われます。
三面接着が起こるとシーリング材が動けなくなるため、建物の動きに従ったり、建物にかかる力に干渉したりできなくなるためです。
ボンドブレーカーは、継ぎ目が浅く、バックアップ材が入れられないケースで用いられます。
4.養生
薬剤が余分な場所に付着しないように、マスキングテープなどで養生します。
5.プライマーの塗布
シーリング材を目地に接着するためのプライマーの塗布を行います。
錆びやホコリが無く、乾燥しているか確認しましょう。
6.シーリング材の充填
コーキングガンを用いて、目地にシーリング材を充填します。
7.ヘラでならす
ヘラを使い、シーリング材を圧着させます。
密着性を高め、余分なシーリング材を除去することで、表面をきれいに整えます。
8.工事完了
シーリング剤が完全に乾燥する前に、マスキングテープを剥がして完了です。
シーリング材には有効期限がありますので、使用前に必ず期限が切れていないか確認しましょう。
また、天候にも注意が必要です。
シーリング工事は、気温が15~25℃、湿度80%未満、曇天で無風状態が適しているとされます。
雨天や低温の日など、無理に行うとシーリング材の性能低下につながる可能性があります。
シーリング工事は、建物の寿命に大きく影響する大切な工事です。
シール職人の腕次第で、仕上がりの差が分かりやすいため、熟練の技が必要とされます。
ただしその分、技術の向上が目で見て分かるので、やりがいのある仕事ともいえるでしょう。
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