非鉄金属が鉄と異なる点は何?非鉄金属の特徴をおさえよう | ジョブケンワーク | JOBKEN WORK

非鉄金属が鉄と異なる点は何?非鉄金属の特徴をおさえよう

鉄は地球上に存在する最も豊富な金属であり、私たちの生活に欠かせない存在です。
しかし鉄以外の金属も、私たちの生活にさまざまな形で役立っています。
これらの金属は総称して「非鉄金属」と呼ばれています。


本記事では、非鉄金属の基本についてご紹介します。

非鉄金属の特徴

非鉄金属とは、鉄および鉄が主成分である鋼(ferrous metal)以外のすべての金属を総称する言葉です。
非鉄金属は鉄と異なり、「電気を通しやすい・錆びにくい・軽い」といった特徴があります。
これらの特徴を活かして、さまざまな用途に用いられています。
非鉄金属の代表例としては、以下のようなものが挙げられます。


  • 軽金属:アルミニウム、マグネシウム、チタン
  • ベースメタル:銅、亜鉛、鉛、スズ
  • レアメタル:チタン、ニッケル、コバルト、モリブデン
  • 貴金属:金、銀、プラチナ、パラジウム

非鉄金属の現状

経済産業省の資料「非鉄金属産業の現状と課題(令和4年3月14日)」によると、非鉄金属業の国内総出荷額は約10兆円、従業員数は約14万人とされています。
また、輸出総額に占める割合は、2020年が約2.3%となっています。
国内では、アルミニウムの新地金製錬が盛んに行われていましたが、オイルショックによる電力価格高騰などより、国内から撤退しました。
その後、原料となるアルミニウム新地金は全量を海外から輸入しています。
2014年に完全撤退し、現在はアルミニウムの加工工程のみが残っています。


出典:経済産業省「非鉄金属産業の現状と課題

非鉄金属が使われている場所

非鉄金属は、人々の生活のさまざまな場所で用いられています。
ここでは、代表的な用途をいくつか紹介します。


電気・電子機器

電線・ケーブル・半導体・プリント基板など、電気や電子機器の製造に不可欠な材料です。


建築

屋根材・窓枠・ドア・内装材など、建物の構造や外観を構成する材料として用いられます。


自動車

エンジン・ギア・ブレーキ・電気部品など、自動車の製造に用いられます。


造船

船体・スクリュー・プロペラ・船舶機器など、船舶の製造に用いられます。


日用品

食器・容器・調理器具・家具・装飾品など、私たちの日常生活で使用するさまざまな製品に用いられます。


出典:経済産業省「非鉄金属産業の現状と課題

非鉄金属のリサイクル

近年は資源循環の観点から、アルミニウムのスクラップ利用が一層求められています。
スクラップには多くの不純物が混入されており、製品用途が限られているのが課題の一つとされています。
スクラップ利用率は鋳造品がほぼ100%、展伸材が約10%(缶のみ)といわれています。



銅製品のマテリアルフロー

電気銅は海外から精鉱を輸入し、国内で精錬が行われています。
生産された電気銅は、電線や伸銅品などに加工されているのが特徴です。
銅は、電気や熱伝導性に優れており、延性や展性に富んでいます。
さらに、耐酸化性が高い合金が作りやすいため、電子・電気製品などの素材として使われていることが多いです。


世界の銅市場

銅鉱石は、南米・アフリカ・中国などで多く生産されています。
日本では銅鉱石の生産はしていませんが、日本資本企業が出資した鉱山から多く輸入しています。


さらに、日本ではカーボンニュートラルの実現に向け、多くの取り組みが進められています。
洋上風力発電、送電線整備、電気自動車の導入などが推進されており、今後も同需要の増加が見込まれています。
特に、直流送電整備計画において日本の技術力が評価されており、カーボンニュートラルの流れは機運の高まりとされています。


出典:経済産業省「非鉄金属産業の現状と課題

非鉄金属は身近な場所で使われている

非鉄金属は、私たちの生活や経済に欠かせない重要な資源です。
今後も、さまざまな用途で用いられ、社会の発展への貢献が期待されています。


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